新型コロナ救済法(「CARES法」)により、欠損金(「NOL」)についての規定が改正されました。従来の規定では次年度以降への繰越しは認められていたものの、過去にさかのぼる繰戻し還付請求をすることができませんでした。新規定では2017年12月31日より後であり、2021年1月1日より前に始まる課税年度(暦年の場合2018、2019、2020年の課税年度)に生じたNOLについては、発生年から5年さかのぼって繰戻し還付請求ができるとしています。繰戻しで消化されなかったNOLは引続き繰越しが可能です。(内国歳入法172(b)(1)(D)(i)条) この税法改正が納税者にとって喜ばしいものである一方、繰戻し期間が強制的に適用されてしまうという点には注意が必要です。該当期間に繰戻し可能のNOLがあった場合(つまり繰戻し期間に課税所得があった場合)、実際に還付申請をしたかどうかに関わらず自動的に繰戻しされたと取り扱われるため、将来のNOL繰越し額が減額されてしまいます。
クロスボーダーの活動がある企業においては移行税(965条税)や外国税額控除などの関係から繰戻し期間を放棄する方が有利なこともあります。IRSは、この繰越し放棄選択をいつどのように行うかについて、歳入手続2020-24にて詳しく説明しています。
納税者はこのIRSガイダンスがご自身の状況にどのように適用されるかを考慮し、これらの選択が各年の会社の税金キャッシュフローにどのように影響するかをモデル化することが重要です。連邦法人税法に加えて、他の国際税の考察事項も評価しモデリングに含める必要があります。いくつかを以下に示します。
Armaninoでは刻々移り変わる税法にまつわる状況を注意深く監視しており、新情報が明らかになった際にはアップデートを送信します。このトピックに関する詳細情報が必要な場合は、当事務所の専門家にお問い合わせください。