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IRS歳入手続 2020-24 と国際税務上の注意点

by Jon Davies, Surbhi Bordia, Jun Tamahashi
April 20, 2020

背景

新型コロナ救済法(「CARES法」)により、欠損金(「NOL」)についての規定が改正されました。従来の規定では次年度以降への繰越しは認められていたものの、過去にさかのぼる繰戻し還付請求をすることができませんでした。新規定では2017年12月31日より後であり、2021年1月1日より前に始まる課税年度(暦年の場合2018、2019、2020年の課税年度)に生じたNOLについては、発生年から5年さかのぼって繰戻し還付請求ができるとしています。繰戻しで消化されなかったNOLは引続き繰越しが可能です。(内国歳入法172(b)(1)(D)(i)条) この税法改正が納税者にとって喜ばしいものである一方、繰戻し期間が強制的に適用されてしまうという点には注意が必要です。該当期間に繰戻し可能のNOLがあった場合(つまり繰戻し期間に課税所得があった場合)、実際に還付申請をしたかどうかに関わらず自動的に繰戻しされたと取り扱われるため、将来のNOL繰越し額が減額されてしまいます。

クロスボーダーの活動がある企業においては移行税(965条税)や外国税額控除などの関係から繰戻し期間を放棄する方が有利なこともあります。IRSは、この繰越し放棄選択をいつどのように行うかについて、歳入手続2020-24にて詳しく説明しています。

IRS歳入手続2020-24における繰戻し放棄選択

納税者はこのIRSガイダンスがご自身の状況にどのように適用されるかを考慮し、これらの選択が各年の会社の税金キャッシュフローにどのように影響するかをモデル化することが重要です。連邦法人税法に加えて、他の国際税の考察事項も評価しモデリングに含める必要があります。いくつかを以下に示します。

  1. 移行税(965条税)より前の年へのNOLの繰戻しの結果、超過外国税額控除が発生し移行税(965条税)の年に繰越される影響
  2. 外国税額控除の制限への影響。個別損失制限(SLL)、全体外国損失(OFL)、および全体国内損失(ODL)の分配額またはリキャプチャ額のトラッキング GILTIカテゴリーへ割り当てられたODL、およびODLリキャプチャ額のGILTI外国税額控除への影響
  3. 税源浸食濫用防止税(BEAT)における2018年および2019年へのNOL繰戻しの影響 (59A条) NOL繰戻しがBEAT税の重要な計算要素、つまり税源浸食率(base erosion percentage)、税源浸食支払(base eroding payments)、調整後課税所得(modified taxable income)に影響を与える事に注意する必要があります。選択をした場合としなかった場合の通常の税金とBEAT税の比較が重要となります。
  4. 2018年および2019年へのNOL繰戻しにより国外無形資産所得(FDII )と国際低課税無形資産所得(GILTI)に関するそれぞれ37.5%と50%の特別控除(250条控除)が減額される可能性があります。

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著者
Jon Davies - Partner, Tax - San Jose CA | Armanino
Partner
Surbhi Bordia, Tax
Partner
Jun Tamahashi - Tax| Armanino
Director
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