ビジネスにまつわる実務は非常に複雑な為、納税者の中には州でのビジネス登録を完全に見落としてしまっていることがあります。「ビジネスを行う」基準は州ごとに異なり、各州の登録要件に関して「1つの州で行っておけば、すべての州に対応している」ということはありません。さらに、経営者や企業は、州のビジネス登録等の法令遵守よりも、ビジネスの運営に集中する傾向があります。法令遵守しないことにより、州に適切に登録しなかった企業は以下の影響を受ける可能性があります。
「事業を行う」ための登録要件は登録の種類や州によって異なります。「Secretary of State(州務長官)」への登録、すなわち「Foreign Qualification (州外法人事業登録)」は、通常、州の税務当局への登録よりも「事業を行う」という基準が低く設けられています。「Foreign Qualification」とは、会社の本拠地、または会社が設立されたところではない管轄区域で「Secretary of State」に登録することであり、会社が物理的に何かを所有している、従業員がいる、または通常の拘束力のある契約がその州内に存在する場合に行う必要があります。
ただし、「Secretary of State」に登録することにより、州の税務当局が自動的に、会社がその州に存在しているとみなしてしまうことがあります。税務当局は州における活動が州の所得税またはフランチャイズ税の観点から「事業を行っている」と考えられるかを判断するため、ネクサスアンケートを送信する場合があります。不適切な回答により、本来であれば支払わなくてもよかった税金を払わされる可能性もあるため、ネクサスアンケートには慎重に回答する必要があります。さらに、ネクサスアンケートを州に提出後、事実と異なるとして反論された場合、時間と費用が掛かる結果となることがあります。
「事業を行っている」可能性があり、登録、申告、および/または税金の支払いを必要とする一般的な活動としては以下が挙げられます:
会社が州で「事業を行っている」と判断された場合、それらは一般的に州のビジネス税の対象となります。課税対象でありながら、申告も登録もされていないことが判明した場合、遅延罰金、利息および手数料が適用される場合があります。これらの罰金は州によって異なり、多くの州では年間1,000ドルほどの範囲にありますが、いくつかの州は、会社が登録していた場合に課される手数料、罰金、税金、および利息の合計額の3倍になる場合があります。その他の一般的な罰則は、州でのビジネスの遂行に対する制限や抵当権の設定などです。カリフォルニア州では、適切に登録がされていない場合、州内のビジネス契約を自動的に無効にすることができます。ケンタッキー州などの一部の州では、登録を怠るとクラスAの軽犯罪に問われ、場合によっては1年の懲役に課せられる可能性があります。
州の登録要件を見過ごしてきた可能性のある企業は、深刻な結果となる前に、真剣に問題解決に取り組む必要があります。問題があると分かった場合、積極的に対処することが最善の解決策となるでしょう。
事業主または企業の経営陣の中には、登録を後回しとしている方がいらっしゃいます。税務上不利益な結果をもたらす可能性がありますので留意が必要です。アルマニーノの州税チームは、以下のサービスの提供により、会社が州の登録義務を遵守していることを確認致します。
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